ナーフでは一般に「狙撃銃」というジャンルはロマン枠とされてきました。それもこれも実銃やエアガンのような高い工作精度・剛性で作られていないので銃身自体が真っ直ぐ接続されていないこと、弾体が軽いので銃身との接触で容易に失速してしまうことが原因です。例えばナーフ狙撃銃の代表格のロングストライク。見た目は最高と称される一方で当たらない、飛ばないと性能としては散々な評価です。
ハズブロも精度については多くの要望が寄せられていたそうで、それを取り入れたアキュストライクシリーズが登場することとなりました。
【海外ニュース】アキュストライクは顧客が長年望んだもの
それが2016年のアキュストライクシリーズ発売と同時に登場したアルファホークであり、翌2017年、アルファホークに続く大型狙撃銃として登場したのがこのラプターストライクになります。
アキュストライク ラプターストライク
全長:91cm 重量:–
外観について
パッケージはかなり巨大
大きなナーフが収まっているということで、パッケージサイズも約1mと巨大。電車などで持って帰るのはかなり辛いですね。
ボルトハンドルは一度差し込むと抜けないタイプ。メーカー保障外ではありますが、ヤスリを使って差込部分を少し削っておくと後で抜きやすくなります。
マガジンは2個付属。ラプターストライクだけのオリジナルデザインですのでこれは貴重です。下部が斜めに切れた専用デザイン?になっています。装弾数は6発。
オレンジ色の長駆
ナーフの中でも最大級の大きさと宣伝されるだけあり、その全長は91cmにも及びます。
大人が構えても十分すぎるほどのサイズです。逆に子供だと持て余してしまうほど。
同じスナイパーライフルと比べてもこのサイズ感。
オレンジ色の膨張色だけでなく全体的に「ゴツい」のでスナイパーライフル的なロングストライクに比べると対物ライフル風にも見えるかも。
ちなみに狙撃ライフルというジャンルの中では91cmは結構小さいほうになりますが、手にしてみると結構大きく感じます。ただプラスチック製ですので重量としては軽く、楽に持てるのが良いですね。
そうそう、マガジンが「どうして下部分が斜めになっているんだろう?」と思うんですが、こうやって装填したときに下部フレーム(ハンドガード)やバイポッドと並行したラインになるんですね。おかげでマガジンの”出っ張り感”が少なく流麗な見た目になるんです。
こういった細かい部分で唸らせてくるとか、ナーフのデザイナーが凄いといわれる理由の一つでもあります。
なお、マガジン自体は共通規格ですので他のナーフのものも使用可能です。右は12発マガジン。ガシガシ撃つならやはり装弾数の多いマガジンが欲しくなります。
そうそう。長大な銃身を持つように見えるのですが、よく見ると「銃身」が無く、また発射機構から先端まで非常に短いことが分かります。性能に悪影響を及ぼす銃身をバッサリと省略してしまうことで、高い安定性を実現しているというわけなんですね。
かなり大きなストックですので大人でも十分に構えられるサイズです。
マガジンリリースレバーはトリガーの前にあります。グリップ部分は滑り止めのゴムパーツあり。
反対側面は残念ながら塗装なし。黒いラインぐらいは欲しかったなーと思います。
バイポッドは伸縮機能あり
ラプターストライクにはバイポッドが付属しています。3段階のロック付きですので好みの長さで使えるのが嬉しいですね。足の部分は結構しっかりしていますので嫌なフニャフニャ感はありません。
見た目はいい!でも使い勝手は…
かなり格好のいいナーフである反面、実は色々な面で「惜しい」部分が色々とあります。
最大の弱点、スコープが取り付け出来ない
褒めてばかりのラプターストライクにも最大の弱点があります。それがこの上面レールが無いこと。つまりスコープのようなパーツが取り付けできないんです。
スナイパーライフルと言えばスコープ。スコープの無いスナイパーライフルなんてネギの無い納豆、タコの入ってないタコヤキみたいなものです。特にラプターストライクは上面部が真っ直ぐなデザインですので、何か一つでも光学機器が乗ればいいアクセントになったんですが…。
スコープが乗らない代わりにフリップアップ式のインジケータがあります。スナイパーライフルというよりもグレネードランチャーの照準器みたいな感じ。
グレーのボタンを押すことでパタッと起き上がる仕掛け付き。簡易目盛りがあるので狙いとしては付けやすいですが雰囲気はというと「うーん…」という気がしてしまいます。
いっそ、こういうようなネジ止め式のピカティニレールを 取り付けてしまえばエアガン用のスコープが取り付けできるようになります。
スペックなど
2mちょっと先のターゲットを狙いました。
個体差なのか分かりませんが、私のラプラーストライクは予想している弾道よりも下に落ちる癖があるようでした。ダーツのヘタリ具合にもよりますが、弾道のブレは体感的に少ないような気がします。
ちなみに国内版になります。海外版に比べると威力が低く設定されていまして、初速も飛距離も他のナーフに比べると控えめな部分が否めません。
入手方法
ちなみに2018年3月末日をもってタカラトミーからは販売終了となったこともあり、市場からでは在庫限り?
海外ではまだ現行品になりますが、大きさの関係で送料が割高になってしまいます。欲しい人はお早めに!
総評:スナイパーライフルの選択肢の一つ
取り回しの悪さから、動き回って近距離で撃ち合うナーフ戦ではスナイパーライフルは相性が悪く、あくまでロマン止まりです。
当初は飛ばない、当たらないと言われてきたスナイパーライフル系ですが年代を追うごとに性能がアップ、ある程度狙えるまでになりました。センチュリオンでは海外版で飛距離30mを叩き出し、アルファホークでは9m先の人間に当てられる精度を獲得、そしてこのラプターストライクではマガジン式となったことで性能そのままに継続火力がアップしています。
数多くのナーフが出た2017年でも完成度は抜群に高いと言えるラプターストライク。国内では残念ながら2018年3月末を持って廃版になった模様です。様々なノウハウの詰まった本気の玩具銃。収納場所に困りますが良ければ選択肢に入れてみては良いのではないでしょうか。
※延長バレルは使用できません。