SNSで見かける「ナーフって高いな」という意見。至極最もだと思います。私も思います。「なんでこんなに高いんだ」って。
きっとパソコンパーツで言われる「Ask税」だとか、ゲームなどの「おま国価格」とかあるんじゃないか、と。
もちろん日本の物価にあわせたとか、それとも輸送コストなど色んな理由あってのことなんでしょうけれども、やっぱり「日本のナーフって高いんじゃない?」と納得できない気持ちがモヤモヤと……。
「アスク税」とは何か 〜ゲーマーのためのグラフィックスカード流通事情講座「アスク税」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「販売代理店であるアスクが,大きな中間マージンを取るから,日本でPCパーツの価格は高くなるのだ」という言説が広く知れ渡ってもいるわけだが,実際のところ,アスク税とは何なのだろう? 多数の業界関係者に対する取材を通じ,その正体を明らかにしてみたい。
でもこのナーフの値段に関しては私を含めて体感的なことが多く、実際に比較したデータで言ってる人はそんなにいないんですよね。
というわけで夏の自由研究というわけではないのですが世界各国のナーフ価格を調べてみました。
調べ方
ざっくりとではありますが各国の通販サイトを参考にピックアップしました。アマゾンやトイザらス、現地通販サイトとか。
またナーフといってもいろいろな商品がありますし、物によっては一部の国と地域だけの限定品もあったりします。ですので出来るだけ一般的なノーマルダーツ、ディスラプター、ハイパーファイアの3つに絞って調査を行っています。
サンプル数が非常に少ないのと現在価格での比較になるものもありますので、あくまで参考値になります。
日本のナーフ価格はこれ
本当はダーツ12本、もしくは30本入りで統一したかったんですが、どうも国によってバラバラですのでやむなく12本または30本入りのものを混ぜて比較対象に入れています。
価格を調べた結果
調べた結果としては以下の通りになります。
世界のナーフとマクドナルド・ビックマックの価格(2019年8月)
国名 | 通貨レート (2019/8/5時点) |
ダーツ12本 | ディス ラプター |
ハイパー ファイア |
日本 | — | 500(30本) | 1,100 | 7,200 |
アメリカ | 1ドル =106円 |
507 | 1,058 | 4,240 |
カナダ | 1加ドル =80円 |
839 | 1,599 | 4,797 |
中国 | 1元 =15.3円 |
677 | 1,175 | 7,971 |
香港 | 1香港ドル =13.5円 |
1,214(30本) | 2023 | — |
台湾 | 1台湾ドル =3.38円 |
1,179(30本) | 2,362 | 6,081 |
シンガポール | Sgドル =76.6円 |
1,224 | 2,299 | — |
マレーシア | 1リンギ =25.6円 |
765(30本) | 2,045 | 7,654 |
インド | 1ルピー =1.52円 |
554 | 1166 | 4,952 |
ロシア | 1ルーブル =1.62円 |
609 | 1044 | 5,159 |
イギリス | 1ポンド =129円 |
609 | 1,044 | 5,159 |
ドイツ | 1ユーロ =117.9円 |
470 | 1,531 | 4,715 |
ギリシャ | 1ユーロ =117.9円 |
411 | 1590 | — |
オーストラリア | 1豪州ドル =71.6円 |
358 | 859 | 7,313 |
アラブ首長国連邦 | 1ディルハム =28.9円 |
944 | 3,728 | 15,866 |
ブラジル | 1レアル =27.3円 |
382 | 2,456 | — |
南アフリカ | 1ランド =7.14円 |
535 | 2,141 | 9,281 |
まず思ったのがディスラプターってどこでも売ってんですね。他のナーフはあったりなかったり色々。ダーツについては12本入りとか30本入りとバラバラだったので価格の参考にはあまりなりませんでした。12入と30入では単価が全く違いますし。
例えばディスラプターが2,000円に届くような国が多い中、むしろ1,100円くらいで常時販売されている日本はかなり安く販売されているということがわかります。
実際には為替のつり合いですとか非常にややこしい話になってきますので詳細は割愛いたします。その辺は私も不勉強ですし。
物価や物の価値で比較してみると?
上で比較したのはあくまでも値段という基準だけ。
でも実際には日本で1,000円でなにか買う場合と、アメリカで10ドル(約1000円)使う場合。たとえそれが世界中で売られている品物であったとしても買える量は異なってきます。つまりお金の価値が違うわけなんですね。
ビックマック指数(BMI)
ということを実際にやっているのが英エコノミストが発表している「ビックマック指数」というものだったりします。世界中で販売されている食品を一つの基準として物価の参考値にしようというものです。
ビックマック指数についてはこちらのサイトを参考にしています。
さらに元の情報を確認したい場合はエコノミストのサイトにて。
実際にはビックマック自体の価値は国や地域によって大きな違いがありますが、だいたい1食分の価格として基準として考えることが出来ます。
ということで実際に比較したのが下の表です。
ナーフとビックマック価格の価格比(2019/8/5)
国名 | ディス ラプター(円) |
ビックマック(円) | ディスラプター /ビックマック比 |
日本との比較(%) |
アメリカ | 1,058 | 624 | 1.7 | 60.6 |
オーストラリア | 859 | 463 | 1.9 | 66.3 |
ロシア | 1044 | 446 | 2.3 | 83.6 |
イギリス | 1,044 | 446 | 2.3 | 83.6 |
日本 | 1,100 | 390 | 2.8 | 100 |
カナダ | 1,599 | 564 | 2.8 | 101.3 |
ドイツ | 1,531 | 529 | 2.9 | 103.4 |
中国 | 1,175 | 332 | 3.5 | 126.4 |
インド | 1166 | 290 | 4.0 | 143.6 |
ギリシャ | 1590 | 372 | 4.3 | 152.6 |
ブラジル | 2,456 | 500 | 4.9 | 175.4 |
シンガポール | 2,299 | 463 | 5.0 | 177.3 |
香港 | 2023 | 285 | 7.1 | 253.5 |
アラブ首長国連邦 | 3,728 | 437 | 8.5 | 304.7 |
マレーシア | 2,045 | 232 | 8.8 | 314.8 |
南アフリカ | 2,141 | 238 | 9.0 | 321.3 |
台湾 | 2,362 | 251 | 9.4 | 336.1 |
例えば日本でディスラプターはビックマック2.8個分で買えるという計算になります。中国は3.5個。台湾は食品が安いということもあって9.4個分に。
アメリカは何故かビックマックが高いので対比すると極端に安く感じますが、平均年収が423万円だということを考えるとそこまでナーフが安いというわけでは無さそう。
そしてこうやって見ていくと案外と日本のナーフ価格って高くはないような気がしませんか?
まとめ
特にファストフードの2~3食分くらいの値段でディスラプターが買えることからも、世界的に見てもそこまで高いわけではない日本のナーフ価格。それでもなぜこんなに高いような気がするのかといえば理由は恐らく2点。
- タカラトミー取り扱い時代の販売価格が安かった(特に在庫処分セール)
- 米アマゾンが安すぎる
がその原因なのではないでしょうか。
ただやはり特に米アマゾンについては本体価格が低いこともあって、高額な国際送料を加味しても総額では安くなってしまうことも多々あります。
でも安いということはそれだけリスクは自分でなんとかせねばならないということ。実際に初期不良の返品などトラブル対応を考えると国内で買うほうが圧倒的に楽ですし、そのリスクをコストとして勘案するのであれば、日本国内で買うというのは決して損ではありません。
先日にタクティカルショットガンの初期不良で返品したばかり。日本アマゾンでしたので翌日には交換品が到着しました。これが米アマゾンでしたら英語での問い合わせ、返送は国際発送とちょっと一手間になってしまいます。
データに関する注意点
留意していただきたいのが平均月収の違いや食品価格が国によって大きくことなること。例えば台湾は物価が非常に安いことで有名です。そもそもビックマック自体が高くてだいたい3食分くらいのお値段なんだとか。
アラブ首長国連邦(UAE)のナーフ価格が高いのは購買層の平均月収が高いことが関係しているのか、それともなんらかの関税がかかっているのかは未調査。ただ食品などの物価自体は日本と同じくらいの水準なんだそうです。
それくらい大雑把なデータになりますので、あくまでもお遊びの一つとして読んで頂けると幸いです。