レーザー(赤外線)を撃ち合う光線銃というアイデアは実はかなり古く、任天堂の「光線銃」なんかは聞いたこと、遊んだことがある方はいるのではないでしょうか。当時はフラッシュライトによる可視光を使う方式であったのですが、後年には赤外線を使った方式が主流となり、またデジタル信号を送ることで多彩な相互通信が可能になるなど進化の度合いは止まりません。2010年代ではスマホとの通信を行いAR(拡張現実)を取り入れて現実風景に敵を移し込むようなものも登場しています。
1998年に発売されたTiger社のレーザータグがこのバズーカ型の光線銃(砲)、BLAST Bazooka(以下、ブラストバズーカ)です。
後にハズブロに買収されるタイガー社ですが、1990年台は非常に多くの優れた光線銃を発売していました。ブラストバズーカはそのうちの一つで、チート級ともいうような広い攻撃範囲、350フィートもの最大射程を有していました。
前面部は大きなLEDと受光部
本体自体がかなり大きな筒状のブラスターです。前面部は大きなLEDとと受光部があります。
知らない人が見れば対戦車ミサイルと思うような出で立ちです。
照準はレーザードットサイト仕様。後述のライフルモードではこのサイトが非常に役立つようです。
上面部には赤外線の受光部と大きなスピーカー。スイッチを入れるとかなり大きな起動音声が鳴り響きます。変形させるたびにこの音声がなりますので隠密動作はほぼ無理です。
攻撃モードは3つ
ブラストバズーカの最大の特徴として3つの攻撃モードがあることが挙げられます。
1,バズーカモード
紫色の肩当て・セレクタレバーを倒した状態がバズーカモードです。
攻撃範囲は前方30度、最大射程は60m…ということでほぼ視界全てに攻撃可能なメインモードです。撃つたびにブラスター内部の振動モーターが動き、まるで撃っているような感覚を味わえます。
シールドモードやハイパワーショットも撃ち分け可能です。
2,ライフルモード
レーザーを前方に収束させるモードです。紫のセレクタレバーを起こした状態にすることで切替可能です。
攻撃範囲は前方6度という狭い範囲になりますが、最大射程は100m近くにまで延長されます。
3,迫撃砲モード
スタンドを引き出すことで自動的に選択されるモードです。床置きして発射します。
攻撃範囲は前方30度ほど。範囲攻撃が可能で複数の敵を一網打尽にできるのだとか。もちろん連射不可。
なお、迫撃砲モードの場合はトリガーではなく上面部のスイッチを押すことで発射します。
立てた状態。撮影スペースから飛び出るほどの巨大です。
迫撃砲ということで放物弾道になるの?と気になるところですが、上面部と銃身下部の両方のLEDが発光することで天井からの反射とにより遮蔽物越しの攻撃が可能なようです。決して赤外線が曲がるわけではありません。
強すぎて敬遠された不運のモデル
かなりの人気を博したレーザータグですが、ブラストバズーカはその豪華すぎる構造から値段も高くなり、またチート級の攻撃力から対戦では使用禁止となることも多かったようです。結果的にはあまり売れない不人気モデルになってしまったとか。
ナーフの二大バズーカ砲の揃い踏み。どちらもクセのありすぎるブラスターです
ハズブロ世代のレーザータグとは互換性がなく、あくまでネタ枠・コレクターズアイテム枠のシロモノです。しかも前述のようにゲームバランス的には使いにくいものであるので出番としてはほぼ皆無なのかもしれません。
海外オークションでは結構な捨て値で売られていますので、代行業者を使えばそこそこな値段で(ただし大型物品なので送料は高額になります)入手可能です。
決しておすすめできませんがロマンの塊のような兵器です。お部屋のアクセントにお一ついかがでしょうか。