現在はほぼ絶滅してしまったナーフの圧縮空気シリーズ。その中でも最多弾数を誇るのが2001年(黄色は2006年?)に登場したAS20ラピッドファイアです。登場時は赤と黒、後年には黄色のNストライクカラーが登場しました。
その型番のとおりに20発ものダーツを、名前のとおりに凄まじい速度で発射可能という重火力ブラスターとなっております。その特異な見た目も相まって登場時は大いに驚かれたそうです。
バルカンやスタンピードのような電動ブラスターもあるものの連射速度という点では秒間2発ほど。ラピッドファイアの20発/約4秒に比べると遠く追いつきません。そういった点でもこのラピッドファイアのアドバンテージは非常に大きいものであったといえます。
”銃らしさゼロ”のブラスター
写真からして見た目は銃ではなく工具という感じ。塩ビパイプをつなぎ合わせたような配管にゴツゴツしたシャーシ。構えやすさやスタイリッシュさを完全に捨てたような潔いデザインが魅力です。銅色に塗るだけでそのままスチームパンクな雰囲気になりそうですね。
かなり大きく重量のあるナーフであり、長さや幅が大きい…というよりも「ただただ大きい」ので構えにくく、小脇に抱えて保持するような感じにになります。
マーベリックと比べるとこの通り。前後左右にそのまま拡大したようなサイズです。子供が持つには少々辛い大きさです。
蜂の巣のような前面
前面部は蜂の巣のような、本能的に危険を感じるような禍々しいものとなっています。装填数は20発。発射は一番上に位置する銃身から。オレンジ色のパーツ全体がゆっくりと自動回転していきます。
旧吸盤ダーツだけでなく現行のエリートダーツ、アキュストライクダーツも使用可能です。
本体が黄色と黒の縞模様ということで蜂みたいですね。
セミ・フルモードの切替可能
側面の目立つ位置にはオレンジ色のダイアルが有り、ここを切り替えることで単発とフルオート発射の切り替えが可能です。
ただ後述しますが空気の漏れがあるので単発でじっくりと撃つよりも、連射モードで撃ったほうが圧縮空気の効率的には良いようです。
空気ではなくバネで発射?
まずは実射動画を御覧ください。240fpsでの高速度撮影になります。
透明なパイプの中をパーツが前後動しているのが分かりますでしょうか?
ラピッドファイアは空気を開放してダーツを発射するのではなく、エアシリンダーを動かしてスプリングの力でダーツを撃ち出すという構造をしています。そのために空気圧に関わらず一定の、安定した飛距離を実現することを可能としています。
ただし弱点も生じており、その複雑な内部構造により空気ロスが多く安定駆動には20回以上のポンプ動作が必要です。更にパーツ点数の増加によりかなりの重量級ブラスターとなってしまいました。
先進的すぎた?途絶えてしまった血統
あまりにも先進的過ぎた構造であったためか「エア駆動によるシリンダー式」のナーフはラピッドファイアで途絶えてしまいました。
確かに非常に面白いナーフであるもののエア抜けが多く、また過度の圧縮による配管破損という事例もあることから信頼性という点ではあまり褒められたブラスターではありません。巨大で重たくてポンプが固く、対象年齢の子供にとっては扱いにくいナーフである点も残念。
唯一無比という圧倒的な存在感。そして扱いにくい”じゃじゃ馬“。評価が二分するのはこのあたりが要因なんでしょうね。
ラピッドファイアは今のナーフでは薄まってしまったアメリカントイ・スピリットを感じられるような非常に面白いブラスターです。
対応ダーツ
使用できるのはノーマルダーツのみとなります。エリート2.0ダーツ、もしくは吸盤ダーツが使えます。