つい先日にツイッターでのナーフクラスタをにぎわせた新型マグストライクの実射動画。
凄まじい発射速度に改良されており、ハズブロの本気具合が良く分かるナーフでした。
もちろん私もそれに感化されまして、「うちのマグストはどうなんだろう」ということで早速引っ張り出してみることに。
うちのマグストライクはというと…
こちらが以前に撮影した動画です。
当時は快調そのもののマグストライク。
いいですねー、この連射速度。
動かすのは久々になりますが今回も引っ張り出して実射してみることにしました。
圧縮していざ発射!!
プシュー……
非常に嫌な予感のする音です。何度やってもプシュー……
この手の空気を圧縮する玩具はプラの劣化でエア漏れするのが定番の故障です。しかも場合により大掛かりなパーツ交換や補修が必要なので厄介なものが多いのは確か。
果たしてこのマグストライクは修理できるんでしょうか。
というわけで修理
マグストライクは一部が接着されていますので、いわゆるアジの開きのようにパカッと開けるのが大変です。
今回は隙間を作ってそこから作業していくことにします。
1、ネジを全部外す
分解は結構大変です。ネジが多いので全部外します。
やや細めのネジが使われていますので、ドライバーも細いものを使いましょう。日曜工具用の大型のものでは隙間に入らない、ネジ山を潰してしまうことになります。
奥まったネジが多いので、できればしっかりした工具を使うようにしましょう(そこまで高級でなくてもOK)
2、隙間を開けて中を確認する
ネジを外したらパカッと開きたいところなんですが、この部分が接着されていますので開きません。
オレンジ色のリング状パーツなんですね。うまくドライバーでこじれば取れるかもしれませんが、今回はそのままで作業いたします。
なお、最悪の場合は細いエッチングソーなどでの切断も想定しています。通常のDIY用ノコでは刃幅が広いので、出来るだけ薄いノコギリが必要になります。
できるだけゆっくり開くこと
後ろの方からゆっくりと指を使って開いていきます。
パーツが外れると大変に厄介ですので慎重に。
特にダーツを発射するエアシリンダ周辺は溝にそってパーツが移動しますので、浮き上がって外れてしまうと後で泣きを見ることになります。
各パーツと配置の模式図はこれ
参考までに模式図とチューブの接続です。
チューブの走行が実際とは異なりますが、だいたいこんな感じです。
動作としては
- コンプレッサー(圧縮シリンダ)からエアタンクへ空気が送られます。
- トリガーを引くと空気弁が開いてエアタンク内の圧縮空気がエアシリンダへ送られます
- エアシリンダーは空気圧で前後しつつマガジンを押し上げ、同時にダーツを発射させます
という感じ。
余談ですが分解して気になったのがこのエアタンク。
白い筒の中に黒いゴム製のエアタンクが入っています。ここが劣化して割れてしまうと、恐らくはもうどうしようもなくなります。触った感じはまだ大丈夫そうですが、保管場所によっては劣化が早そうです。
3、現状確認
圧縮はOKでトリガーを引いたときに空気が抜ける音がする…ということからもエア抜けはトリガーから後ろであることが分かります。
で、見てみたらありました。明らかな故障個所が。
本来は赤い矢印のエアチューブが青い出っ張りに刺さっているんですが、接着剤の劣化で取れてしまったようです。
幸いにも折れたわけではなさそうなのですぐに修復できそうです。
4、修理開始
エアチューブは金魚用などに使われる一般的なエアチューブです。
先端が劣化しているので少し切り戻して接続することにします。
チューブを引っ張り出して先端5mmほどを切ります。切りすぎるとチューブの長さが足りないので必要最低限で。
切ったらそのまま差し込みます。黒いチューブ抑えがあるのでそれも忘れないように。
固定のためホットボンドを使います。冷めるとすぐに固まりますので、こういう小物を固定するような修理には大変重宝します。
固定し終えたのがこちら。
あとはチューブを元に戻してゆっくりと蓋を閉めます。ネジもしっかりと。
5、完成!
修理したマグストライクがこちらです。
新型の発射サイクルとまではいかないまでも、1秒で10発を撃ちきることができます。動画のタイムテーブルでは17フレーム(30fps)ですので実質的に0.56~0.6秒で10発を撃ちきる計算になります。
特にグリスアップなどはしておりませんが、快調そのもの。もしかすると今回の故障部分がマグストライクにとってのアキレス腱というか弱い部分なのかもしれませんね。
確かにチューブの取り回しを見ると結構鋭角に曲げられていますので長期保存では負荷による劣化がありそうです。
もしかすると不調なマグストライクはここのエア漏れが多いのかも。
全体の作業はこちら
流れはこんな感じ
今回はチューブが抜けただけというトラブルでしたが、もしチューブ全体が劣化していたような場合では交換が必要となります。
とはいえ使われているのは金魚用のエアチューブと同じもの。ですので容易に入手可能です。
エアチューブはビニール製(固め)とシリコン製(柔らかめ)がありますが、この場合はビニールチューブを使います。
修理を終えて
開けてみて思うんですが意外と単純というかパーツが少ないんですね。
逆に言えばここまでのパーツ点数で凄まじい連射を実現するって本当に凄い仕組みです。
あと環境によるんでしょうけども、やはり劣化という点では厳しくなってきてるな、と。特にエアチューブの硬化が思いのほか進んでいました。
動画を通るために少し無茶な撃ち方をしましたが、劣化具合を考えるとこのペースでガシガシ遊ぶのは怖すぎます。
幸いにも2019年にはマグストライクが再販されています。
今のところは米国内(ターゲット)での販売だそうですが、もし出に入るようでしたら新型を買うことをお勧めいたします。
そのうちに米アマゾンなどにも出てくるのではないかな、と思っています。