【レビュー】エリート2.0 コマンダー
サイズ | 全長32cm | 発売年 | 2021 |
初速 | m/s | 装填数 | 6×発 |
入手先 | アマゾンなど | 対応弾 | エリートダーツ 吸盤ダーツ |
エリート2.0って?
昨年に登場したナーフのシリーズ(商品群)の一つとなります。
ナーフにはNストライク・エリートという飛距離に特化したメインシリーズがありまして、エリート2.0はその更新版にあたります。陳腐化した本体構造を一新し、新しいデザインと機関部の改修が行われています。
さらに同時に拡張性も最大限に高められておりますので、例えばストックやスコープなどの取り付けの自由度が高くなっているのも特徴的です。
パッケージ(2個セット版)
コマンダーは回転弾倉を持つハンドガン型ナーフであり、価格と性能、つまりコスパが良い定番モデルとなります。
私が購入したものは2021年に登場した「コストコのナーフ」になります。2個パック品。
日本ではこのセット商品はコストコ専売となっています。
コストコ専売、とはいえ中身はアマゾンなどで単品販売されているものと全く同じです。ダーツがいっぱいとか、飛距離が伸びているとかそんな事はありません。
パッケージの飛距離表記も27mで同じ。
色合いは案外いいぞ
エリート2.0シリーズは本体の色合いがメタリック系ブルーに変更されています。従来の深い青色とはまた違った趣があります。
商品写真ではなんだかチープで軽い感じで「どうなんだろうなぁ…」と懐疑的ではありましたが、実物ではオレンジ色のパーツとの対比が美しく、これはこれで「アリだな」と思える良さを持っています。
ただし分解できない構造
メーカーの方針なのか、それともコストダウンのためか不明ですがエリート2.0は分解できない構造になっています。
本体がガッチリと接着されておりますので綺麗に外すことは不可能。破損上等でマイナスドライバーなどでこじ開けるしかありません。
実はネジが少数見えるので外せるのかな?と淡い期待を抱いてしまいますが、内部の支柱に接着剤がたっぷり塗られていますのでネジを外したくらいではビクともしません。
絶対に分解させないという強い意志を感じます。
コスト削減の工夫はあちこちに
エリート2.0は従来のナーフよりも更にコストダウンされていると言われています。
例えばこういったアクセサリレールの留め具部分。左がコマンダー。右がレギュレータ。
従来は別パーツであるものがコマンダーは本体に一体化されています。
またトリガーの戻りバネも従来が金属バネであったものが、コマンダーはプラスチック板になっているそうで。
撃ってみた感じでは特に違和感はありませんでしたが、分解しないと見えない部分ではありますが耐久性については少々心配な部分があります。
★砂や埃を巻き込むと動作不良を起こしやすい模様
安っぽさは感じない
徹底したコストダウンが行われているものの、安っぽさはあまり感じません。
コストを下げつつもしっかり作られているなーと感心する部分のほうが多いくらい。
例えばこのロゴの部分。
塗装ではなく”透かし”なんですね。下地となるオレンジのパーツを上手く使って立体的なロゴが成形されています。塗装のように剥げてしまうこともありませんのでこれは良いものです。
しかもプラの質感が違うのでロゴがくっきりと浮かび上がるんですよね。格好いい。
分解できないデメリットもありますが、一方で接着されているためにグリップの剛性感は従来より高め。強く握ったとしてもギシギシとたわむような事はありません。
ダーツは24本付属
コストコ版では青とオレンジのダーツが2種、合計24本付属しています。
こんな感じにまとめて紙袋に入っています。
色違いなだけで2つとも全く同じダーツではありますが、オレンジ色のダーツは別売されていないのでレアと言えばレアかもしれませんね。
そうそう、細かい部分ですがダーツの弾頭部にはNERFロゴが小さく刻印されています。
純正弾の証です。
ハンドガン??なサイズ
「ナーフのハンドガンはデカい」というのは定説ですけれども、このコマンダーは更に一回りデカいです。エアガンのリボルバー拳銃をイメージすると驚くくらい。
比較のためにA4サイズのファイルケースに載せたところ。はみ出てしまう大きさです。
本体幅もありますので拳銃用ホルスターにすっきり収まるというようなサイズではありませんね。もちろんポケットに忍ばせるなんて絶対ムリなサイズです。
更にストックやバレルの取り付けアダプターがあるおかげで全体的にはハンドガンらしからぬ巨大さになっています。
操作は簡単
ナーフでは定番の「隙間からダーツを装填していく」というタイプ。
弾倉周りには隙間が多いため、どこからでもダーツを入れていくことが出来ます。入れにくい場所は手で弾倉部分を回転させましょう。少し固いですが。
ダーツを入れたら本体上面の黒いスライドを後ろに引くとバネが圧縮されます。あとは引き金を引くだけ。
カスタマイズは広いものの
ストック、バレル、スコープなどいろいろなパーツを取り付け出来るようになっていまして、ハンドガンというジャンルを超えたカスタマイズが可能。
とりあえず手元にあったレギュレータのストックを取り付け。本体自体が結構大柄なためにサイズとしては違和感なく使用できます。
ただ惜しいことにエリート2.0の色がメタリック系ブルーなんですよね。エリート2.0同士でしたらともかく、写真の様に白いパーツはカラーリングとしては合わせづらくなってしまいました。
色を気にせず、拡張キットを用意するのでしたらスコープキットなんかも良いかもしれませんね。
というか他のアクセサリキットが軒並み廃番でこれしか選択肢がないとも言えますが……
アクセサリレールも上下2本あり。実用性は置いておいてバイポッドも使用可能。
余談:ナーフはアクセサリの廃番が早いんです
コマンダーのように下段レールがあるナーフにはタクティカルライトなどを取り付けたくなります。
が、こういったアクセサリは2021年12月現在では軒並み廃番となっております。
そもそもナーフのアクセサリは売れ行き個数の関係でどうしても製造期間が短くなるようで、気づいたら売り切れだったという事が多かったりします。
もちろん再生産されるものもありますけれども、たいていはそのままプレミア価格へ…というパターンがほとんどです。
下の写真は以前に販売されていたナーフ純正のタクティカルライト。絶版品です。
2018年の台風による大停電の際は非常に役立った思い出があります。
社外品もあります
そうそう、社外品ですがナーフに取り付けできるライトもあります。
LEDが白色以外のものがありますので購入時にはご注意を。私が持ってるのはなぜかブラックライト仕様だったりします。
試射:力こそパワー!
飛距離27mというハイパワー型というのもありましてダーツがすごい勢いで飛んでいきます。
弾道はおおよそまっすぐではありますが、時々ですがパワー負けするのか暴れることも。
軽量なダーツではなかなかの”じゃじゃ馬っぷり”ではありますけれども、それだけスパーン!と飛んでいくのは気分爽快です。ターゲットにあたった時の音も小気味好い感じ。
対応ダーツはエリートダーツ(旧ダーツも使用可)
ノーマルダーツが使用可能です。
大きさや同じですのでエリート2.0ダーツだけでなく、旧エリートダーツも使えます。もっと言えばエックスショットダーツも。
的当てをするなら吸盤ダーツが面白いかもしれませんね。ペタッと張り付くのはとても楽しいものです。
使用できるのはノーマルダーツのみとなります。エリート2.0ダーツ、もしくは吸盤ダーツが使えます。
入手方法
2個パックはコストコで販売中(2021年12月)
単品はアマゾンなどの通販サイトでも購入できます。中身は全く同じもの。付属するダーツの数も同じです。
(コストコ版は単純に中身が2倍にして価格を下げたもの)
総評:スタンダードなブラスター
評判としては賛否両論、色々と不満があると言われるエリート2.0ではありますが、触った感じでは”予想以上にいい感じ”に思えました。
特に色。写真では本当に浅薄な感じがしてたんですよね。ギラギラ系メタリックで。
でも実際には深みのある色合いであり、またベースとなるオレンジとの対比も格好良くって。
また性能面でもやはりエリートシリーズ。ある程度の距離だつダーツが暴れてくれますが、近距離ならバスバスと狙った場所へ飛んでくれます。
操作もダーツを込めてスライドを引っ張ったら引き金を引くという単純明快なもの。そういうナーフの楽しさと手軽さはコストダウン関係なく、変わらず楽しいままです。
気になった部分も
まずは音。ナーフというのは空撃ちの場合には弁が閉じる構造になっており、それによりバネの衝撃を抑える仕組みになっています。一方、ダーツが装填されている場合にはダーツがフタとなりまして、やはり空気によるクッションを生じさせるようになっているわけです。
空気の流れを悪くするわけで初速アップのためには撤去されがちな部品ですけれども、破損しにくくするという点ではとても大事なものだったりします。
ということを踏まえてコマンダー。ダーツ装填していたとしてもバネの勢いが強いのか、単純に個体差なのか射撃時にガッ!というなかなか怖い音が出ます。まさにピストンが激しく壁にぶつかっているような音ですね。
分解できない以上、調整も不可能ですのでこれはちょっと恐ろしいものです。玩具は大事に使いたい派としては特に。
質感も性能もかなりの高水準ではありますが、メンテナンスできないという点で長期的に遊んで保有するのは厳しいナーフなのかもしれません。